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恩田晃

ONDA Aki

静まりかえった庭
イースト・ビレッジのコミュニティー・ガーデン、
パンデミックの時分

2020年 フィールドレコーディング、ヴィデオ、アーカイバル・ピグメント・プリント、昇華転写プリント、テキスト、地図
可変 作家蔵

フィールドレコーディング、写真、ヴィデオ、テキスト、地図:恩田晃
写真:ピーター・クレイマー、ジェフ・ライト、レニー・リビリッジ、マーリ・モンバー、デイヴィッド・シュミドラップ、 写真家不明
プリント制作:白井里美(オンサイト)
昇華転写プリント制作:フラットラボ
ドローインク:レニー・リビリッジ、ジャック・ウォーターズ、ベン・ウォールバーグ
デザイン:川村格夫
翻訳:コリン・スミス
コピーエディティング:ジョナ・マックス
制作補助:マルコ・レニア、恩田真樹子

この作品は、恩田晃がイーストヴィレッジにあるコミュニティーガーデンで記録したフィールドレコーディング、写真、テキストによって構成されています。これらの「緑のオアシス」は、1970年代にニューヨーク市を襲った深刻な財政危機を背景に、地域の住民や活動家たちによって始められました。市民の憩い場や子供の遊び場、野菜やハーブや花を栽培するガーデニング、アート作品やパフォーマンスを発表するスペースなど、様々な目的で使われてきました。恩田は、新型コロナウイルス感染の被害が拡大し都市封鎖の行われた2020年の春から夏にかけてリサーチを敢行し、パンデミックの時分を捉えたドキュメントとしても成立しています。加えて、恩田は、前衛映像作家ハリー・スミスがイーストヴィレッジで行ったサウンドスケープをカセットに録音するプロジェクトの文化人類学的な手法を参照し、今日まで続いてきたコミュニティーガーデンの存在そのものとその意義を検証していきます。

Firemen's Memorial Garden
Lower East Side Ecology Center Community Garden 1
Lower East Side Ecology Center Community Garden 2
Lower East Side Ecology Center Community Garden 3
La Casita Garden
Green Oasis Garden 1
Green Oasis Garden 2
Le Petit Versailles
Albert's Garden
カンポス・コミュニティーガーデン
7:55
エル・ソル・ブリリアンテ
3:35
エル・ジョーダン・デル・パライソ
5:06

フィールドレコーディング:ラ・プラザ・カルチュアル・デ・アルマンド・ペレズ・コミュニティーガーデン、9丁目・コミュニティーガーデン・パーク

Thanks to:
Yuji Agematsu, Christopher Batenhorst, Loyan Beausoleil, AnnelCabrera-Marus, Margarita Calderon, Sophie Cavoulacos, Peter Cramer & Jack Waters, Anne P. Dardis, Bill DiPaolo, Joanee Freedom, Jeanne Liotta, Lenny Librizzi, Loisaida United Neighborhood Gardens (LUNGS), Donald Loggins, George Hirose, Max Katz, Janene Knox, Cathy Kord, Charles Krezell, Kathy Creutzburg, Laurie Olinder, Christine Datz-Romero, Magali Regis, Elizabeth Ruf-Maldonado, Edwin Albert Santana, Kyleen Sanchez, Javid Syed, David George Schultz, Yuri Simojo, EJay Sims, John Shuttleworth, Ryan Mendenhall, Museum of Reclaimed Urban Space (MoRUS), Grace Tankersley, Kate Temple-West, Alexia Weidler, Bill Weinberg, Lauren Wilson

コラージュ・オン・カセット

2020年 スティッカー、ポスター、テキスト、壊れたポータブル・カセットレコーダー
可変 作家蔵

コラージュ・オン・カセット 作品1
コラージュ・オン・カセット 作品2
コラージュ・オン・カセット 作品3
コラージュ・オン・カセット 作品4
コラージュ・オン・カセット 作品5
コラージュ・オン・カセット 作品6
コラージュ・オン・カセット 作品7
コラージュ・オン・カセット 作品8
コラージュ・オン・カセット 作品9
コラージュ・オン・カセット 作品10
For The Birds
8:35
Rain
6:22
Underground
3:12
The Little Girl From Tangier
4:48

2003年にImprovised Music from Japanからリリースされ、2020年にRoom 40から再発されたアルバム、恩田晃『Bon Voyage!』Cassette Memories Vol. 2 より。

作家略歴

1967年奈良県生まれ、茨城県在住

過去30年間に渡って録り溜めたフィールド・レコーディングによるサウンド・ダイアリーを用いたプロジェクト『カセット・メモリーズ』で知られ、<記憶>にまつわる作曲・美術作品を制作してきた。ジャンルを越境し、美術、映像、音楽、パフォーマンスの分野で国際的に活躍。マイケル・スノウ、ケン・ ジェイコブス、ラハ・レイシニャ・ローレン・コナーズ、デイヴィッド・トゥープ、鈴木昭男らとコラボレーションを継続してきた。ドクメンタ14、ルーブル美術館、ポンピドゥー・センター、ロッテルダム国際映画祭、ニューヨーク近代美術館、ザ・キッチン、ウォーカー・アート・センターなどで作品を発表。ニューヨークに長年住んでいたが、現在は水戸を拠点にしている。

作品解説

鳥の鳴き声や風がそよぐ音、風が響かせるベルの音、英語ではない言語の話し声。これらは新型コロナウイルスによってロックダウン中のニューヨーク、マンハッタンで録音された。大都会の空き地を経済的に貧しい住民たちが自分たちの庭として利用する活動は、1970 年代の不況時代から現在まで続くが、人々の関心は移り変わってきている。 1980年代終わり、壊れたカメラの替わりにカセットウォークマンで旅の記録を採りはじめたことをきっかけに、恩田は日々の生活で聴こえる音を録音するようになる。それらは個人の関心が赴くままに膨大に蓄積され、パフォーマンスや展示で再生されたとき、録音時に気づかれなかった細部が私たちの耳をとらえることがある。誰にも関心を向けられることなく、忘れ去れてしまうかもしれない出来事がもう一度呼び戻されることで、まっすぐに進化や進歩することだけを志向する時間への抵抗を試みる。私たちは何を、どのように聴くのか。この見逃される断片への愛着こそ、聴くことの実践を歴史や他者の理解と深く結びつけているのではないだろうか。

展示写真

恩田晃 「静まりかえった庭―イーストヴィレッジのコミュニティガーデン」 展示写真

撮影:木暮伸也

恩田晃《静まりかえった庭―イーストヴィレッジのコミュニティガーデン、パンデミックの時分》2020年
フィールドレコーディング、ヴィデオ、アーカイバル・ピグメント・プリント、昇華転写プリント、テキスト、地図

恩田晃 「コラージュ・オン・カセット」 展示写真

撮影:木暮伸也

恩田晃《コラージュ・オン・カセット》2020年
スティッカー、ポスター、テキスト、壊れたポータブル・カセット・レコーダー

恩田晃 アーティスト写真

恩田晃
1967年奈良県生まれ、茨城県在住

過去30年間に渡って録り溜めたフィールド・レコーディングによるサウンド・ダイアリーを用いたプロジェクト『カセット・メモリーズ』で知られ、<記憶>にまつわる作曲・美術作品を制作してきた。ジャンルを越境し、美術、映像、音楽、パフォーマンスの分野で国際的に活躍。マイケル・スノウ、ケン・ ジェイコブス、ラハ・レイシニャ・ローレン・コナーズ、デイヴィッド・トゥープ、鈴木昭男らとコラボレーションを継続してきた。ドクメンタ14、ルーブル美術館、ポンピドゥー・センター、ロッテルダム国際映画祭、ニューヨーク近代美術館、ザ・キッチン、ウォーカー・アート・センターなどで作品を発表。ニューヨークに長年住んでいたが、現在は水戸を拠点にしている。

音声が流れる作品があります。
ヘッドホンやイヤホンをご用意していただくと、
よりお楽しみ頂けます。